のざらし

いち乳癌クラスタの、化学療法とオペと今後

シクロホスファミド

(独)医薬品医療機器統合機構 注射用エンドキサン(100mg/500mg) 添付文書

製品名エンドキサン(ドイツ・バクスター社提携;製造販売は塩野義製薬)。

アルキル化剤。DNAのグアニン基に結合しDNA鎖間架橋損傷を発生させ複製阻害。

肝臓で代謝後変化した物質が作用するプロドラッグ。

変換された物質の内アクロレインが尿中に排泄され、尿路上皮細胞に取り込まれると出血性膀胱炎の原因となる為、速やかに排尿する必要がある。

自分が掛かっている病院の薬剤部の説明で「投与した週は水分を多く摂り尿を溜めずに出すように」との話だったが余りにアバウトなので目安を聞いた所「尿が1日2l出る位」との事。

日本腎臓病薬物療法学会ウェブサイト内の以下のPDFが詳しいので、読んでみた。

飲水の目安として少なくとも1日2l飲む様努めてねとあり、更に夜間も排尿し膀胱を空にすべき、とある。

アルキル化剤による泌尿器系の副作用およびその対策(生長会府中病院 薬剤部 小泉 祐一)

同薬の添付文書には「投与後24時間は150ml/時の尿量を保て」「1日3lの輸液、メスナの併用」とある。

 

初の抗癌剤ナイトロジェン・マスタードの誘導体。日本腎臓病薬物療法学会のPDFにも「世界中で最も広く用いられているアルキル化剤」とあるが、ルーツが第一次世界大戦で使われたマスタードガス(イペリット/サルファーマスタード)の硫黄原子を窒素に置き換えたヤツ。マスタードガスを積んだ船が爆撃で沈没(1943年)し、救助された兵士が大量被曝その後白血球減少が見られた報告から、アメリカで当時X線照射しか無かった「白血病治療に使えんじゃね?」となり悪性リンパ腫への治療が試みられた。

致死量1500mgと、マスタードガスと毒性かわんないとか云う話も見る…

調べ過ぎるとどうしたらいいのかわかんなくなるので精神衛生上よくなくない?

 

あとー、日本で開発されたナイトロジェン・マスタードより毒性低いナイトロミンが日本で販売されなくなったシクロフォスファミドに市場を奪われたからの様で。

内藤記念くすり博物館のご案内−トピックス

 

出血性膀胱炎

 (医薬品医療機器統合機構「重篤副作用患者別対応マニュアル」

主な症状;尿が赤みを帯びる(血が混じる)、尿の回数が増える、排尿時の痛み、残尿感